看護師の大事なお仕事に排泄の確認があります。排尿回数と排便回数等を確認します。
その時に、「もう3日も出てない。つらい」とか、「1週間出ていないけど、大丈夫。きつくない」などという言動が聞かれることがあります。
たかが便秘、されど便秘です(;´∀`)
知り合いなら「便秘薬飲んだら!」とか「水飲んだら!!」とか言えますが、、
仕事上の対応では、そう簡単にはいきません。
((+_+))
「先輩看護師に報告しなきゃ!」
「でも報告したら、アレみた?コレみた?と質問が来るかも。。」
「便秘薬でいいのかな?」
「その前に何かした方がいいのかな」
と。不安に思うことがあると思います。
安心してください。結構、簡単です(#^.^#)
今回は、
1、本当に便秘か?
2、便秘時の観察ポイント
3、便秘の原因をアセスメントする
4、便秘への対策
について、まとめてみました。
※ここでは、肝不全の便秘については除外するものとします。
肝臓は、使用する薬剤や排便をする意味が違ってきますので!!<(_ _)>
本当に便秘か?
まず、本当に便秘かどうかの判断をします。
・排便が出なくて何日目か?
・普段の排便パターンはどうなのか?
・食事量はどうか?
そもそも(*’ω’*)ノ
便秘は、〇日間出なかったら便秘!というものではありません。
排便回数が減ったり排便障害が起こることを便秘といいます。
例)いつもなら毎日1回は出るのに、
3日間出ていない!! ⇒便秘!
例)2~3日に1回の排便ペースの方が、
3日間出ていない場合! ⇒便秘ではない!
例)毎日バナナ1本程度の排便があるのに、
2日間連続して、母指大しか出ていない! ⇒便秘!
例)毎日出ているけど、残便感がある。 ⇒便秘!
例を挙げましたが、ここに食事量も考慮してください。
充分に食事を摂取していなければ、出るものも出ません((+_+))
禁食中の便秘に関しては、1週間程度は経過観察をすることもあります。
この禁食中の排便コントロールに関しては、考え方が様々なので、先輩に相談しましょう。
先輩が、腹部レントゲンや腹部の状態からアセスメントする方法を教えてくれます!!
大事なのは、本人のすっきり感があるのか?という事です。
不快感があれば、何かしらの対処や指導が必要になります(#^.^#)
便秘の観察ポイント
では、便秘だ!となった場合、次はどこを観察するのか?
普段の排便の様子
・普段の便の性状や硬さ
・普段の便秘時の対応
・以前、便秘薬を服用した事があるか?その薬剤名
腹部の状態
・腸蠕動音(腸の走行に従って聴診する)
・腹部膨満感(本人の感覚)
・腹部膨満(目でみる)
・腹部の緊張や張り感(触診する)
・腹部の圧痛はないか?
(お腹を四等分して4か所ゆっくり手のひらで押すように確認する)
便秘を引き起こす外的要因
・水分摂取量
・食事摂取量
・運動量(入院中なので安静が多いと思いますけどね!)
上記は、すべて少ないと便秘を起こす要因となります。
また、便秘の随伴症状として
・吐き気、嘔吐
・食欲不振
・腹痛の有無
も確認しましょう。
少し多く感じますが、慣れてしまえば、ちょちょいのちょいです!
これだけ観察しておけば、
間違いなく先輩に褒められます( *´艸`)
次の項目でアセスメントしましょう。
便秘の原因をアセスメントする
原因により対策が変わります。
しっかりゆっくり考えていきましょう(#^.^#)
頭の中で、想像しながら読んでみてください。
また、必ずしも原因は1つでないことを理解しておきましょう。
1、食事摂取量は少なくないか?
単に食事摂取量が少ないから便秘になっている場合と、
何かしらの原因で便秘になったから食欲不振が出てくる患者さんもいます。
食事摂取量が少ない場合、
腸の内容物が少なくて、便秘になっているので、
腸蠕動音は異常なしのこともあります。が、
食べている量が少ないので、蠕動音は弱いこともあります。
腹部膨満感は無いことが多いでしょう。
便秘の随伴症状としての食欲不振の場合は、腹部膨満があることが多いです。
この場合は、下記2以降が原因となります。
2、水分摂取量は少なくないか?
排便はあるけど量が少ない!硬い!という患者さんも多いです。
腸の内容物はあるけど、便が腸の中に長期間滞在している事が考えられます。
また、最後の排便する時の力が弱い。という事も考えられます。
腸蠕動音は、弱い場合もありますし、異常なしの場合もあります。
3、運動量は少なくないか?
運動量が少ないのは、入院中はしょうがない部分もありますね。
身体を動かさないことで、腸の動きも弱くなるので、
腸蠕動音は弱いことが多いです。
4、薬剤性の問題はないか?
薬剤により腸の動きが悪くなり便秘になることがあります。
カルテの持参薬と処方薬のところから情報収集しましょう。
下記の薬剤は、腸の動きが悪くなるので便秘になりやすいです。
・麻薬系
・抗コリン作動薬
(パーキンソン病治療剤、抗うつ剤)
・カルシウム剤
・制酸剤
調べても分からない場合、薬剤師さんに相談すると、きっと優しく教えてくれると思います(#^.^#)
腸の動きが弱い場合は、腸蠕動音が弱いです。
5、腸に関する問題はないかの確認
機能性便秘:腸の働きが悪いなど機能の問題
器質性便秘:癌があって詰まっているなど構造上の問題
を、確認します。
・カルテの既往歴の欄より、
以前、腸の手術をしていないか?の確認をしましょう。
腸の手術をしていると、
腸の動きが悪くなっていることがあります。
また、腸が細くなっている場合もあります。
(何度も腸閉塞になっている患者さんもいます。)
こういう時も、やっぱり腸蠕動音が弱いです。
ここで!!
重要ポイントの確認です。
・強い腹痛や吐き気等の症状はないか?
・腸蠕動音がない
・腹部膨満や緊張がある
これら原因として、腸閉塞(腸が極端に細い)や癌などが疑われます。
この場合は、便秘に対する対策は取らず、主治医へ報告となります。
腸閉塞や腸が狭窄している状態で、便秘薬を使用した場合、最悪なケースとして、腸に穴が空いてしまうことがあります。禁忌となりますので、気を付けましょう。
便秘への対策
いよいよ対策ですね(#^.^#)
もうちょっとで、終わります!!がんばりましょう(^_-)-☆
食事量減少への対策として、
食事摂取量が増えるような対策を取ります。
・食事摂取できない原因を患者さんに確認して、患者に合った食事提供を考えましょう。
固さ、主食の変更(パン食など)、1品を食べやすいものに変更等
また、味が薄い!という場合は、範囲内で塩分制限食から普通食に変更することも手です!
水分摂取量が少ない事への対策として、
水分摂取を促します。
この対策は、大体の方に該当すると思います。水分が少ないと出るものも出ません。
注意点として、
心臓や腎臓疾患がある場合は、水分摂取の制限があることがあります。
その点を確認後に、患者さんと一緒に水分摂取できるよう計画を立てましょう。
ただ「水分とってくださいね」というより
「じゃあ、この時間に水分を摂ってみたらどうでしょうか?」などと、一緒に考えてくれる姿勢で関わると患者さんは、嬉しいと思います。自分の事考えてくれているな。という思いが伝わるのではないでしょうか?
水分摂取しても出ない場合は、薬剤の適応となります。
運動量が少ない事への対策として、
ここは、対策取りづらいです。
私は、20年以上看護師をしていますが、
運動量を増やす対策をとった人はいません。難しいです。
一応、紹介しておきます。
・ベッドに座って上半身をひねる。等の、腸への刺激ですね(#^.^#)
たまに、おばちゃんが「あれで出たわ!」って言ってますよ(*’ω’*)
薬剤性の便秘として
便秘の原因薬剤を減らす!という対策は難しいですよね。
この場合は、薬剤を使いましょう。
麻薬開始の際は、はじめから下剤が処方されることもあるほどです。
腸の動きが悪くなっている場合の対策として、
ここも、やっぱり薬剤ですね。
薬剤は、指示簿に頓用薬として入力してある場合も多いです。
どの薬剤が、患者に合うのかを調べて使用しましょう。
調べるの大変!という方には、下剤の使用時期と方法を、今後アップしていく予定です。
お待ちいただけるとありがたいです(*^▽^*)
最後に
たかが便秘!されど便秘です!
看護師をしていると、結構な割合で便秘の患者に遭遇します。最初は、ちょっとめんどうですが、しっかり理解して自分のモノにしてしまえば武器になります(#^.^#) 「そんなに気にしなくていいのに。」って言っている同僚もいます。が、便秘は、患者さんにとっての苦痛です。ストレスとなります。対処してあげることで、信頼関係が生まれることもあります。以前、気難しい患者さんに「うんこ先生!」と慕われた?!経験もありました(;´∀`) まぁ悪い気はしませんでした(#^.^#)
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