便秘薬でも反応便がない場合、次の手として坐薬や浣腸を行うことがあります。場合によっては、摘便をする事もあります。ここでは、良く使用するテレミンソフトとレシカルボン坐薬の薬剤のそれぞれの特徴と使用時の注意点についてお伝えします。
レシカルボン坐薬
【作用】
腸内で炭酸ガスを発生させて、腸蠕動運動を促し排便を促します。
【副作用】
腸蠕動が起こることでの腹痛があることがあります。大体は、排便後には消失します。また、肛門付近の便が出ることで、それより以前の腸の中にある便も出てきて下痢っぽくなることがあります。(結腸の部位により便の性状が違うからです。)また、排便に伴うショックがあります。
【特徴】
坐薬が溶けながら、ガスを発生させて、その刺激で排便させます。
薬剤の力で腸を動かすわけではないので、比較的、効果が穏やかな坐薬となります。効果が穏やかだということは、副作用も穏やかだということです。穏やかではありますが、私の経験上だと、後述するテレミンソフトと同じくらい効果はありますよ。高齢者などに使いやすいですね(#^.^#)!
【作用発現時間】
15~60分
実際、30分程度は我慢して頂いた方がしっかりとした効果が得られやすいです。早すぎると、ガスと坐薬だけが出てくることがあります((+_+)) その場合、1回量としては、1~2個なので、もう1つ挿入しても良いのですが、先に入れた薬剤の効果が残っていることがあるため、どの程度腸内で溶けていたか?で、もう1つ挿入するか決めることがあります。出てきた坐薬の観察をしっかりするようにしましょう(#^.^#)
【患者さんへの説明】
以前使用した事がある患者さんには、気分不快等なかったか確認しましょう。
「腸の中でガスを発生させて、排便を促すお薬です。排便時に、お腹が痛くなることがありますが、便が出てしまえば大体良くなります。坐薬を入れて排便がしたくなっても、出来たら20分以上は我慢してください。我慢できなかったら、出してもらって構いません。」
テレミンソフト坐薬
【作用】
直腸粘膜を刺激して、腸蠕動を促し排便を促します。腸内で水分を便にもたせ膨張することで、排便を促す作用もあります。
【副作用】
レシカルボン坐薬と同様です。
その他の副作用として、アレルギーが起こることがあります。
【特徴】
レシカルボン坐薬に比べると、薬の力で排便を促すので効果が強いです。その分、腹痛を伴う事がテレミンソフトに比べると増えます。私の体験談だと、ほとんど腹痛はありませんけどね(#^.^#) 肛門近くの便が出ることで、それより前の結腸からの排便が促進されるためか、水分を腸内に含ませる働きもあるためか、排便力が低い患者さんだと、数回に分けて軟便や泥状便が出ることもあります。この点は、レシカルボン坐薬と比べると違いますね(#^.^#)
【作用発現時間】
レシカルボン坐薬と同様です。
【注意点】
禁忌
急性腹症
【患者さんへの説明】
以前使用した事がある患者さんには、アレルギー症状や気分不快等なかったか確認しましょう。
「腸の粘膜を刺激して、排便を促すお薬です。排便時に、お腹が痛くなることがありますが、便が出てしまえば良くなることが多いです。たまに、数回に分けて便が出ることもあります。坐薬を入れて排便がしたくなっても、出来たら20分以上は我慢してください。冷や汗が出るほど我慢する必要はありません。我慢しすぎると血圧低下を起こしてしまう方もいます。普通の排便時と同じような感じで行きたくなったら、出してください。」
最後に
便秘って、奥が深いですよね。便秘は、入院患者さんにとって、結構な辛さだったりします。その困った事を一緒に解決することで、信頼関係が生まれたり、患者さんのQOLをあげることにつながります。慣れてきたら冗談のひとつでも言って場を和ませましょう(#^.^#)
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