下剤に伴う腹痛の原因と対処 私の経験談あり(#^.^#)

症状に対する対策

 下剤を服用すると、たまに腹痛がおこることがあります(ノД`)・゜・。 
「そんな時、どうしたらいいの?」「だって薬使ってるし。。しょうがないのかな。」と思うこともあると思います。患者さんの身体に何が起こっているのか?どう対応したら良いのか?簡単ですが、、まとめてみました(#^.^#)

腹痛を起こす下剤

 便秘薬のタイプには、2種類あります。

便に水分を含ませることで排便しやすくする
  酸化マグネシウム、マグミット、マグラックス、ラクツロース等
腸の蠕動を促すことで排便させる
  センノシド、ピコスルファート、アローゼン等

下剤により腹痛が起こる原因

 便に水分を含ませるタイプは、
 便に水分を含ませる事で排便しやすくなります。水分を含みかさが増すことで、腸への刺激となり蠕動運動が促されます。この蠕動が異常に亢進した場合に腹痛が起きますが、頻度的には少ないです。

 腸の蠕動運動を促すタイプは、
 腸の蠕動を促す薬剤なので、腸蠕動が亢進しやすい状態となっています。異常に亢進することで腹痛が起きます。頻度は、薬剤の副作用の欄に「不明」と記載があります。看護師歴22年の私の経験上だと、頻度は1割もないイメージがあります。「たまにあるよね」といった程度です。

下剤による腹痛への対応

腹痛への対策 まず行うこと!! 状態観察

 患者さんから腹痛がある。と、言われたら、まずは、患者さんの状態観察が大事です(#^.^#) 「下剤による腸蠕動の亢進かな」のアセスメントで、ほぼ問題ないとは思いますが、腹痛の部位、どんな腹痛か、腹壁の状態と腸蠕動音を確認しましょう。
 極々まれですが、急性腹症の様な状態であることがあります。観察したら、きちんと記録しましょう。「私、観ましたよ!!この時点では、問題なかったですよ」という証拠になります。もし、元々腸が薄い方で腸の圧が亢進して腸破裂等があったとします。その場合、看護師はきちんと観察していたのか!!という点を確認される事があります。まぁ、ほぼほぼありませんが、自分を守る癖をつけるようにしましょう(#^.^#)

腹痛への対策 その1 経過観察

 下剤による腹痛なら、排便してしまえば腹痛は治まることがあります。本人が我慢できる程度であれば、患者さんへ、その旨を説明して経過観察しましょう。

腹痛への対策 その2 温罨法

 排便して腹痛が治まるまでの間、腹部の温罨法をすると腹痛が軽減することがあります。
 この時に、気を付けて欲しいのは、低温火傷です。特に、高齢者、糖尿病患者、感覚麻痺やしびれがあるような患者さんには注意しましょう。

腹痛への対策 その3 薬剤使用

・排便後も腹痛が続いている。
・冷や汗が出る程の腹痛である。
・苦痛が強い。
といった場合は、薬剤を使用する場合もあります。

薬剤を使用する場合というのは、本人の苦痛が強くて我慢できない場合となりますので、即効性のある注射薬を使用することが多いです。また、医師によっては坐薬を使用する場合もあります。
 ブスコパン(注射薬):腸の蠕動を和らげることで腹痛を緩和する
 ソセゴン(注射薬):鎮痛薬
 ボルタレン等(坐薬):鎮痛薬

下剤に伴う腹痛と対処の体験談

パターン1
 患者は、70代のやや肥満気味の女性でした。整形外科的で入院していて活動量が減少したための便秘だったので、前日センノシド2錠を服用していました。
 下腹部の腹痛があったため観察を行いました。「腹壁緊張なし。左下腹部の間欠的な腹痛、腸蠕動は亢進」という結果だったので、下剤による腹痛とアセスメントしました。
 患者さんに、排便すれば腹痛は治まることが多いことを説明しました。表情は腹痛時のみやや苦痛様といった感じでした。腹部の温罨法(タオルで温める程度)を行いました。ほどなく排便し腹痛はなくなりました。患者さんから、「ありがとう。このタオルでだいぶ良くなった」と笑顔で言われました。それ以降、この患者さんとは良い関係が続きました。
 今回は、温罨法はしなくても良かったのかもしれません。しかし、患者さんの苦痛に対応しようとする看護師の姿勢が、患者さんから信頼につながったのだと思いました。

パターン2
 患者は、身体が小さめの年齢80代の女性でした。基礎疾患に閉塞性肺障害があり酸素1L投与中の方でした。
 この患者さんは、前日の夜にセンノシド2錠服用しても排便がなかったためテレミンソフトを使用しました。すると、1時間後、腹痛が継続的に起こり、呼吸も荒くなり酸素飽和濃度の低下がみられました。
 まず、酸素投与量を指示範囲内の1.5Lに増量しました。次に、観察をします。「腹壁の緊張なし。腹痛は下腹部全体で継続的。腸蠕動は亢進」という結果だったので、下剤による程度のひどい腹痛だと判断できました。(センノシドもテレミンソフトも腸蠕動を亢進させます。)
 患者さんに、排便後は腹痛が軽減することを説明しましたが、説明しているそばから苦痛が強くなりさらに呼吸が荒くなったため、主治医に報告しブスコパンの注射をしました。注射後、5分もたたないうちに苦痛は和らぎました。その日の排便は諦め、翌日摘便を行い排便してもらいました。この時以降、この患者さんには、センノシド+摘便というケアを行うようにしました。

最後に

 下剤服用後の腹痛で、何かの対応が必要になる事は、稀な事だと思いますが、看護師人生で数回は経験するものだと思います。「下剤を服用しているから下剤の影響だ!」とか決めつけずに、しっかりとアセスメントする事をしていきましょう(#^.^#) 対応が分かっていれば、自分の自信にもつながりますよね(#^.^#) こうやって頑張っている努力は、必ず役に立つと思います(*^▽^*)
 

 

この記事を書いた人
桜樹

看護師歴22年超えの、クリスマスとお花見が大好きなシングルマザーナースです(#^.^#) ユニット以外は、大体経験しました(#^.^#) 笑いあり涙あり!!看護師ってやっぱり楽しいです(*^▽^*) 新人さんは不安の塊ですよね('ω') ちょっと困った時に、このサイトをみて、ほっとしたり「なるほど!」と思えるように頑張りたいと思っています。看護師道!!一緒に楽しく歩きましょう( *´艸`)

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